
先日、何度か繰り返し小さく揺れた。持ち出すものにふっと目を遣りしばらく動きを止めて様子をみていた。
「2くらいか」
産廃業者が来て災害が起きたら、という言葉を思い出し災害の肌感覚が映像を通してでしかないのか、とふと考えた。汲み取りもまだ多く土砂と共に糞尿は流れ、そもそも工場がどうにかなるような状況下での自分の生存はどうも想像がつかない。
何もかもを一瞬で失う、そういう状況になったことがあるだろうか。そもそも現地に出向きその現実を肌で感じたことがあるのだろうか。災害ボランティアの経験があるのか、それよりも心と感情と意識の制御ができるようには見えなかったりもする。あらゆる人間の環境の負はない方がいい。
そういったことをぼんやりと考えながら、生き残った自分という資源を使っていこうなどあれこれ巡らせていた。自分はあの状況下で助けられたのだった、と。小さく心も揺れる日。ありがとう、ありがとう。